日本社会における医療的ケア児に対する課題

いくつかブログをかくにあたって、医療的ケア児についての、社会全体の課題を書いておこうと思い、まとめてみました。
また、今後の課題解決に向けてどのような取り組みをしていくべきかについてもまとめておければと思っています。

■医療的ケア児の現状

数の増加と社会的認知
近年、医療技術の進歩により、医療的ケアを必要とする子どもたちの数が増えていますが、一般の人には医療的ケア児の存在や日常で直面する困難についての認識がまだ十分に広がっていません。
医療的ケア児についての知識が広がっていないため、周囲からの理解が得られず、家族が孤立するケースも少なくありません。また、学校や地域社会においても、医療的ケア児に対する適切な対応や配慮が不足していることがあります。
認知が不足していることで、社会全体での支援の必要性が認識されにくいと感じています。

教育の現場における問題
医療的ケア児が学校に通う際には、多くの課題があります。まず、医療ケアを行うための専門的な知識を持ったスタッフが不足していることが、大きな問題となっています。
例えば、人工呼吸器を使用する児童が学校に通うためには、その操作を理解している教員や看護師が必要ですが、そういったスタッフが十分にいる学校は限られています。
また、医療的ケアを行うための設備や環境が整っていない学校も多くあります。
さらに、他の生徒や保護者の理解も欠かせません。医療的ケア児が安全に学べる環境を整えるためには、学校全体の協力が不可欠です。
現状では、教員や看護師自体の数が足りていないこともあり、受け入れ態勢を整えるのは簡単ではないと感じています。

家族への負担
医療的ケア児を持つ家族には、体力的・精神的な負担が大きくのしかかります。
24時間体制でのケアが必要な場合、親が常に付き添わなければならず、働くことが難しい状況に追い込まれることも少なくありません。その結果、経済的にも負担がかかってしまい、より一層の負担となります。
また、社会的な孤立感も深刻な問題です。周囲の理解が得られず、ご家族が全てを抱え込んでしまうことが多く、精神的なストレスが増大しているように思います。
慢性的な疲労やストレスが原因で、ご家族自信の健康を損なうことも少なくありません。
ご家族が体調を崩しても代わりにケアを行う人がいないため、ますます追い込まれてしまいます。そのような現状を考えるとご家族のメンタルヘルスについてもサポートが必要だと考えています。

■医療的ケア児支援の現状と課題

専門人材の育成
医療的ケア児を支援するためには、専門的な知識と技術を持った人材の育成が不可欠です。看護師や介護福祉士、特別支援教育の教員など、各分野での専門職が連携して支援を行う体制が求められます。しかし、現状ではこれらの専門人材が不足しており、医療的ケア児が必要とする支援が十分に提供されていない状況です。

特に地方では、専門医療機関や支援施設が少ないこともあり、人材の不足が大きく、地域格差も生まれている状況です。
この状況を整えるためには教育プログラムもまた必要になるのだろうと考えています。

社会的理解の促進
医療的ケア児に対する社会的理解を深めるためには、啓発活動が重要です。学校や地域社会、企業など、様々な場面で医療的ケア児についての知識を広める努力が必要だと思います。
私たちもその役割を少しでも担えるよう、医療的ケア児の現状やそのサポートの必要性を伝えていければと考えています。
また、メディアを通じて医療的ケア児の現状を広く伝えることも大事だと思っており、媒体からの取材については極力ご協力させていただくようにしています。

育児や介護についての社会的な理解もまだまだ進んでいないのが現状だと思います。
どちらの場合にも、時間的な拘束が必要となるため、一般的な勤務では育児や介護との両立できないことが少なくありません。
企業がその現状をより理解し、柔軟な体制を整え、受け入れる間口を広くしていくことも、企業としての大きな役割ではないでしょうか。

■今後の課題解決に向けて

包括的な支援体制の構築
医療的ケア児とその家族を支援するためには、包括的な支援体制の構築が必要です。
地域包括ケアシステムがより強化され、医療、教育、福祉が連携した支援が確立されていくことが望ましいと考えています。
その中で、保険診療内だけでは構築できない部分を私たちのような自費診療にて提供するサービスがサポートしていくことが良いのではないかと思っています。
訪問看護や教育現場への看護師の派遣、ご自宅でのサポートなど、看護師の不足している場面で、少しずつでもお役に立てればと考えています。

社会全体の意識改革
医療的ケア児とその家族を支えるためには、社会全体の意識改革も重要だと思います。
一般の人が医療的ケア児についての認識を高めていくことが必要だと思いますが、まずは児童の近くにいる学校や行政の方々が理解を深め、どのような体制で、どのような人数で受け入れていくのかを話し合っていくことも重要ではないかと考えています。
また、その考えをご家族に伝えていくことで、相互理解も進みより良い環境を整えていくことにつながるのではないかと思います。
この環境の整備が一般の方の理解にもつながり、社会全体の意識の変化につながっていけば課題の解決になっていくと思います。

企業の役割と責任
企業にも医療的ケア児とその家族を支援することが求められていると考えます。
企業は従業員の中に医療的ケア児を持つ家庭があることを考慮し、柔軟な働き方を提供することで児童とその家族をサポートすることができます。例えば、在宅勤務の導入や、フレックスタイム制度の整備、長期休暇の取得支援などが考えられます。これにより、医療的ケア児を持つ家庭の経済的負担を軽減し、親が働きながら子どものケアを行うことができる環境を整えることができます。

将来的な展望について
医療的ケア児の支援には、長期的な視点が必要です。児童が成長し、成人になる過程でも、適切な医療と支援を受け続けられる体制を整えることが重要です。これには、成人向けの医療施設や支援サービスの充実、就労支援や生活支援など、さまざまな側面からのアプローチもより一層求められる時代になるのだと思います。

また、医療的ケア児が自立した生活を送るための支援も重要です。例えば、職業訓練や就労支援を通じて、医療的ケアを必要としながらも働くことができる環境を整えることが更に求められます。その他にも、居住環境の整備や、介護サービスの充実など、生活全般にわたる支援が必要で、社会全体としての課題はまだまだ山積みだと思います。
それでも一つずつの課題をクリアしていき、よりよい社会に向けて取り組んでいくことを願っています。

■まとめ

医療的ケア児とその家族が抱える問題は、個々の家庭だけで解決できるものではなく、社会全体で取り組むべき課題だと思います。医療、教育、福祉が連携し、包括的な支援体制を構築することで、医療的ケア児が安心して生活できる環境を整えることが求められているのだと思います。
また、法制度の整備や社会的理解の促進を通じて、医療的ケア児とその家族が孤立することなく、豊かな生活を送ることができる社会の実現を目指す必要があります。
私たち一人ひとりが出来ることを考え、行動することが大事だと思います。
私たち企業としても、あるべき姿を考え、取り組んでいきたいと思っています。
これからも、医療的ケア児支援のための取り組みを一層強化し、全ての子どもたちが平等に教育や医療を受けられる社会を目指していければと考えています。
社会全体が医療的ケア児を支えることで、彼らの未来が明るく開かれることを願っています。
日本ホームナースセンターとしても、一つずつの課題に向き合い、医療と介護の分野でお役に立てる会社になっていければ幸いです。

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